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むき出しの力を超えた正統性こそが世界に秩序をもたらす。現在の国際秩序の主導者である米国を自由貿易体制に引き留め、欧州と米国の和解を促し、米国を他の主要国が補完するかたちで新しい国際秩序を構想しなくてはならない。これが米国に対してできる日本からの正統な提案ではないだろうか。
現在の米中摩擦は、日米経済摩擦と同じ経済的構造が原因にある。新興国が構築した規模の経済が市場である先進国の産業基盤を毀損し、両国の間に社会的な緊張を生む。日米摩擦は、WTOによる裁定に加え、日本の対米直接投資、新興技術分野のゼロ関税を定める情報技術協定を通じた規模の利益の共有を通じて沈静化した。中国の産業政策は、日本の産業政策をより精緻化したものである故に規模の経済がより強く働き、他国への影響がよ ...
21世紀になって米国民から、米国の経済社会の「創造的破壊」を託されたビジネスマン大統領が、19世紀後半から20世紀初めの米国への回帰を述べたとしてもそれはごく自然な流れだということが分かる。実際、より制約がなくなった2期目には、まさにヴェブレンが引用した行動を取り続けている。トランプ大統領は、その熱狂的な支持者にとって過去の古き良き時代からの使者なのである。
我が国GDPの約2割を占め日本経済の屋台骨を支えてきた製造業は、いま大きな転換点に立っている。グローバル競争の激化、人口減少による労働力不足や技能継承、カーボンニュートラルへの対応など、製造業を取り巻く課題は山積している。他方で、AIやロボティクスなどのデジタル技術の革新がものづくりに新たな脅威と可能性をもたらしており、世界各国においても、欧州ドラギレポートの発表や米国トランプ政権の施策転換等、産 ...
トランプ米大統領による関税率大幅引き上げの発表後、米国の経済政策不確実性指数は急上昇し、コロナ危機時を上回る水準となった。この指数は新聞報道のテキスト分析をもとに算出されており、貿易政策に絞ると、米国だけでなく日本でも過去に類例のない高水準になっている。
第2次トランプ政権の「予測不能な関税政策」が世界経済に新たな不確実性となっている。トランプ政権が繰り出す関税政策に対し、日本はどのように対応すべきなのだろうか。今回のBBLでは、国際経済学の第一人者であり『開発経済学入門』『途上国化する日本』『経済安全保障と半導体サプライチェーン』など数々の著書・編著で知られる早稲田大学政治経済学術院経済学研究科の戸堂康之教授(RIETIプログラムディレクター・フ ...
本年2月、GX(グリーントランスフォーメーション)の中長期的な方向性を示す「GX2040ビジョン」、2030年度の温室効果ガス削減目標達成への道筋を具体化する「地球温暖化対策計画」、エネルギー政策の基本方針を定める「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定された。これらの計画は、エネルギー安全保障の確保と脱炭素社会の実現という二つの課題に同時に挑戦する日本の戦略を示すものである。
独立行政法人経済産業研究所が利用しているメールセキュリティサービスである株式会社インターネットイニシアティブ(以下、「IIJ社」という)の「IIJセキュアMXサービス」が第三者に ...
日本経済の中で、最近需要が高まり、景気に好影響を与えているものの1つは間違いなくインバウンド市場です。コロナ後、急激に訪日旅行者は増えていますし、増加のスピードも、好みの ...
中国の情報通信(ICT)輸出は、激しい貿易摩擦に直面してきた。中国のICT産業が標的となった理由を調査するために、本稿では米中貿易戦争の勃発以前の中国ICT産業を分析する。まず、為替レートと関税の変動が中国のICT輸出財に与える影響が、財の高度化レベルによって異なるかどうかについて分析する。為替レートと関税の影響について、WTO情報技術協定の付属書Aに記載されているICTに関する44のHS4桁輸出 ...
近年、「ウェルビーイング」という言葉が、個人の幸福感や充足感を超え、社会全体の持続可能性や企業の新たな価値創造の鍵として注目されている(ここで議論は、主観的ウェル ...